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喪服用帯締めの房の整え方■仕上げ

帯締めの房は、左右それぞれの脇で先にかかっている帯締めに通して整えます。
上から下へ通す方法、下から上へ通す方法、いろいろと整え方があり、和装の目的によって房の向きを決めます。

房の向きには流派があります

着付け学院や着付教室によって、房の整え方を決めています。いわゆる流派ですね。
着付け方法を教わります時に房の向きは、左は上から(または下から)、右は下から(または上から)と房の整え方を教えて頂き、その方法で以後お着付けをされることになります。

他着付け学院等で習われた方と一緒にお着物でお出かけをしたり、着物を着たりしますと、「あれ?それは間違いではないかしら?」と他の方の着付け方に疑問を持つように、房の仕上げにも疑問を持たれることがあります。

しかしこれは、どれも間違いではないのです。流派なのです。ですからご自身で習われた方法で進められて大丈夫ですから自信を持たれてくださいね。そして他の方の仕上げを否定することはされない方が無難です。

喪服の帯締めは、流派は関係なく共通する仕上げ・整え方です

先程、流派のことを書きましたが、どちらの着付学院で習われましても、共通した物事の考え方が存在します。それが喪服の着付けに関する流れです。

喪服は悲しみのお席にお召しになるお着物です。日本の心が存在します。
その中のひとつに、「帯締めの房は上向きにはしない」ということがあります。

「左は上から(または下から)、右は下から(または上から)と房の整え方」という流れは全く関係なく、全て「喪服の帯締めの房は、上から下に入れる」とされています。
私が知る限りの着付学院・着付教室では共通しておりました。もしこのようにされていない着付教室がありました申し訳ありません。私が単純に存じ上げなかっただけのことです。こっそりご連絡頂けましたら、修正をさせて頂きます。

弔事での房の整え方

弔事では、帯締めの房を左右どちらも上から下へ入れます
房を上に仕上げますと、房が広がり華やかになります。房を下に仕上げることで房は広がらず華やかさもありません。悲しみのお席に華やかさなど必要ありませんものね。

私の考え方・・・房を下にすることについて

これは私の考えですので、正しいとは限りませんがお伝えいたしますね。

ご祝儀袋と御香典袋では、裏面の合わせ方が異なりますね。

  • ご祝儀袋・・・上の紙を下の紙の上に合わせる
  • 不祝儀袋・・・下の紙を上の紙の上に合わせる

私が若かりし頃、スーパーでアルバイトをしていた時の話です。
サービスカウンター担当で商品の包装などをされている方から、包装の仕方には意味があり、慶事と弔事では包装紙を替えるだけではなく包装の仕方もにも違いがあるということを教えて頂きました。

慶事の(または一般的な)包装と、悲しみの席での包装が異なることは、祝儀袋の裏面の合わせ方に共通するものがあります。

  • ご祝儀袋で下の紙を上に合わせる意味は、幸せがいつまでもここに留まってくれますように。
  • 不祝儀袋で上の紙を上に合わせる意味は、悲しみが流れ出ますように、不幸は消え去ってくれますように

との願いを込めてなのだそうです。

ですから、祝儀袋も包装も、弔事では、下に隙間が出るようになっています。悲しみを流してほしいと願いも併せて届けるのですね。日本人の心です。

さて房の話に戻りますが、房にも同じ意味を持つものと考えています。
房を上から下に入れ込みますと、当然下には隙間が出来ます。悲しみを流してほしい。その願いが着付けにも共通しているものと私は思っています。
そのような思いを込めながらお着付けをさせて頂いています。


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